ミュージシャンの気持ち
今日はボランティアでやっている絵本の読み聞かせの日だった。
読みに行ったのは生徒が二人だけの特別クラス。
二人とも足に障害を持っている子で、授業は他の生徒と一緒に受けているらしい。
担任の先生は息子の担任を受け持ったこともあり、とても信頼できる先生。
二人の生徒のことは、うちの子供からよく話を聞いていて二人ともとても優しい子らしい。
読み聞かせの直前に廊下で「いつものように、本を読む前に何か二人に話をしてあげてください」と先生から耳打ちされた。
三日前の結婚記念日にケーキ屋さんへ行った。
そのケーキ屋さんの入口の前には黒板が置いてあって、その日バースディケーキの注文があった誕生日の人の名前が書いてある。
黒板にはたくさんの名前が書いてあった。その中で目にとまったのが、今日読み聞かせに行ったクラスの一人の女の子の名前。
少し珍しい名前なので、「もしかして?」と思った。
ふっと隣の名前に目をやると、なんと特別クラスのもう一人の男の子の名前が書いてあった。
「え~!!」
こんな偶然ってあるのか!
まさか、二人は同じ誕生日?
そんな不思議な体験をしたことを話して、二人の誕生日を聞いてみると、やっぱり違っていた。
その後、持っていった本を読んだ。
まあまあ喜んでくれたようで、記念写真をとって挨拶をして廊下に出た。
先生が廊下に出てきてお礼を言われた。
先生は泣いていて「本当にあの話、良かったです」と言われた。
え? 本じゃなくて、あの話?
「あの・・・ケーキ屋さんの話ですか?」と聞くと
「そうそう、あの話聞いてたら泣けてきちゃって」と言って涙をハンカチで拭いていた。
学校からの帰り道、もう一度自分が話した内容を思い出した。
泣ける話かなぁ?
でも先生はあの2人の母親のような気持ちで聞いているに違いない。
きっと友達がたくさんいるクラスの生徒より刺激が少ない。
だからあのケーキ屋さんの話は、先生や二人にとっては本よりも感動した話だったのかもしれない。
自分の話に感動してくれる人がいるってすごい嬉しい。
自分の歌で泣いてくれるファンがいるミュージシャンもこんな気持ちなのかなぁ~
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